ルビィの首飾り、またはインドの指環

アンティーク

柘榴の果実のよう。

22金、マハラジャゴールド。

蛇が潜んでいるから、気をつけて。

勿論、悪びれる様子はない。

クリシュナとラーダーが愛を語らう、古い銀製の宝石箱。クリシュナは美青年で屈強、それに神とくれば、魅力的に違いない。そんな男に蹌踉めかない女はいないらしく、このラーダー、独身ではない。日本であれば許されない事も、他所の国では教義になる。諄いようだが、クリシュナは神である。日本の神とは大違いだ。そんなインドという国には、何処か人を惑わせるような、妖しくも美しい空気が流れている。地中深くに宝石を秘めた国だからだろう。殊更にルビィは美しい。その深紅の石を飾る時、神々が情熱の愛を結晶させたのかと妄想してみる。件のクリシュナ、最期が凄い。急所の足裏に矢が刺さったのが致命傷となる。それは、流れ玉の如くに誤って飛んできた矢だった。天下無敵最強のクリシュナ、ヨガのポーズで瞑想中の出来事であった。…え?一体、どんなポーズだったのだろうか。

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