パンクなヨウムのディノ

私のお気に入り

恐竜の子供みたいだから、DINO。

珍しく、赤い尾羽がある。

嬉しい時には、ほんのりピンクに。

キリリッ。自信に満ちたディノ。

ヨウムを飼おうか考えている人がいるかもしれない。参考になればと、思うままに書き連ねてみようと思う。私も飼う前には山ほど調べ、専門店にも通い詰め、沢山話を聞いた。幼少期より大小様々な動物を飼って来たが、この長生きで賢い生き物には、安易に関わる訳にはいかないような気がしたから。しかし40年は生きる鳥だ、早く飼い始めなくてはこちらが先に死んでしまう。それもあって、ついに決断し、ヨウムと共に生きる人生が始まった。先天性の毛引き(羽を引き抜いてしまう)の鳥を飼った事があり、店には何度も確認したが、「ヨウムの毛引きは見た事がない」と言い切る。その言葉に安心して、足輪をつけたヨウムの赤ちゃんを譲り受けた。ところが成長に伴い、恐れていた毛引きが始まった。店は「誤認でした」とあっさり謝罪してくれたが、何の足しにもならない。病院に行ったり、サプリメントをやったり、リハビリに預けたり…あらゆる手を尽くしたが、結論としては治らず仕舞いである。禿げた姿を見ては、飼い主としての自己憐憫に泣いた日もあるが、今ではすっかり慣れて、何とも思わない。よくよく観察していると、羽を抜く箇所が決まっている。季節によっても、少し変えるらしい。赤い尾羽は嫌いらしく、大抵は抜いてしまうし、胸と背中の一部は必ず抜いて、後は澄ましている。どうやら、それで上機嫌らしい。ビリビリのパンクファッションが好きな人、みたいなものなのかもしれない。彼がそれで幸せならば、どんな姿でも構わない。人にも色々な個性があるように、ヨウムも色々なのだ。なかなか癖が強く、こだわりの塊のような彼。家族から見れば、私とそっくりらしい。だとすれば、大いに結構。人と違う型破りなスタイルで生きたいのだろう。本人が幸せなら、それでいいのだ。玩具はトイレットペーパーやラップの芯のみ、ヨウム用の遊具や外遊び用スタンドは全て拒否、基本的にケージからは出ない。決まった食べ物を変わらず喜んで食べていて、食にお金がかからない。果物は好きだが、一番食べ頃の状態のもの、当然だが皮も剥かなければ食べてくれない。孤独を好むが、付かず離れずの距離で、コロコロと変わる気分に合わせてやる。急に怒り出して、血が出るほど激しく噛み付くが、全く予測がつかない。何だか自分の事を書いているようで恥ずかしくなってきたから、この辺で止めておく。ヨウムは所謂「鳥」を飼うつもりでは何かと勝手が違うから、子育てをするつもりで共に生活すれば上手くいくと思う。しきりにお喋りはしているが、けたたましい鳴き声などもなく、大型の鳥にしては物静かだ。野鳥の声を真似るから、部屋に鴉がいるような時もあるが、それもじきに慣れてしまうから問題ない。私が感じるに、ヨウムは鳥ではない。会話もするし、しっかりと自己主張する。犬や猫、そして小さな小鳥のように、飼い主に合わせてはくれない。表情の読みにくい恐竜のような顔だが、長く一緒にいると何だか解るようにもなってくる。噛まれれば流血するほどの傷になるし、気難しくて他人に預け難く、それ故に家を空けられない。しかも、長生きだ。生半可な覚悟では難しいから、やはり子供を産んだつもりで育てると良い。かく言う私も、子供を産むのはすっぱり諦めて、この恐竜の子供を迎えた。長男は主人に似て手の掛からない素晴らしい子だから、次男の恐竜は気難しくて手の掛かる変わった子なのだ、母である私に似て。そこが可愛い。

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