![](https://marienoyubiwa.com/wp-content/uploads/2022/06/A73303A8-BF67-4EDB-BB1F-202FFAFE358F-773x1024.jpeg)
甘美な硝子。
![](https://marienoyubiwa.com/wp-content/uploads/2022/06/530D0C71-AE11-42B7-9061-33E6FBEEABFE-768x1024.jpeg)
![](https://marienoyubiwa.com/wp-content/uploads/2022/06/2FE155E9-D7B5-49C5-BBE1-B4CDB4CC9FB9-794x1024.jpeg)
千夜一夜物語のよう。
![](https://marienoyubiwa.com/wp-content/uploads/2022/06/5FF87438-70C4-4A6A-90D7-E2E2D6116177-779x1024.jpeg)
梟は黙して語らず。
![](https://marienoyubiwa.com/wp-content/uploads/2022/06/38D5529E-FE75-48C0-B52D-F482EA323B9B-828x1024.jpeg)
我が家は割に裕福だったが、お金には厳しかった記憶がある。夏祭りの夜店には連れて行ってくれたが、焼きとうもろこしは絶対に買ってもらえない。同じのを作ってあげると丸め込まれ、結局は茹でたとうもろこしが出てくる。そんな母が必ず買ってくれるのは、ルビィのように輝く林檎飴。然程美味しくないのに、美しいからという理由だけで、躊躇なく買ってくれる。宝物のように大事に抱いて帰って、いつまでも眺めて楽しむ。貴方は綺麗な物を見ている時が一番幸せそう、母も嬉しそうに笑う。他に夜店で買ってくれる物は、硝子細工だった。そんな母の教育の甲斐あって、硝子質の物には目がない。ヴェネツィアングラスの麗しき香水瓶達は、私の宝物だ。遠い記憶を辿っていたら、母は私に、美しい物だけを買い与えていたという事に、今更ながら気づいたのだった。
コメント