7月27日に出会えた君へ

幸せの方法

相棒のコウちゃん。

忘れないように創った天使の指環。

小さな腕輪と天使の指環。

小さな手を思い出せる腕飾り。

あんまり周りが脅かすのですっかり産むのが怖くなり、日増しに怖気付く私のためにひと月も早く産まれてきてくれた親孝行な息子。何が何だか分からないうちに、無事産まれてきてくれた勇敢な子供である。あなたがあんまり怖がるから小さいうちに出てきてくれたんだ、親孝行な子に感謝しなさい、と先生からも言われた。その証拠に、少し小さめだったがどこもかしこも完全だったから、一緒に帰宅できた。しかし妊婦を見れば脅かす先輩方が多いのは、何故なのだろう。あんな痛いものはない、鼻からボーリングの球を出すより辛い、死ぬかと思った、と忌まわしい呪文を投げかけてくる。鼻からボーリングの球を出した事がある人に言われたら信じるが、大袈裟で意地悪な人が多いだけだ。母までもが如何に辛いかネガティブな事ばかりを言い続けていたが、たった一人だけ、あんなのは一瞬で何が何だか分からないうちに済みますよ、楽しみですね、と祝福してくれた人がいた。結局その人が言う通り、今となれば思い出せないくらい、何が何だか分からないうちに産まれてくれた。だから私は、若い妊婦さんにはそう祝福するようにしている。そうして産まれた優しい息子は、いつでも勇敢で物静かな青年に成長してくれた。子育てをしたつもりはなく、家族というチームの一員として共に生きてきた。世の中のあらゆるルールに抗い、道を逸れて生きていた私を、真面な人間にしてくれた息子と夫。親でさえ匙を投げたろくでなしの私の人生を救ってくれた恩人である。産まれてきた息子を見た時に、私は誰よりも正しく生きようと心に誓った。私の背中を見る息子に恥じない生き方をしようと決めた。変わり者の母親を持ち、独特な育ち方をしたはずが、誰からも好かれる素敵な青年になったのは、夫の素晴らしい遺伝子の成せる技だろう。二人の素晴らしい男性に出会えて、私は本当に幸せだ。18年前の今日、7月27日に出会えた君は、私の誇りです。

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