英国出身の小さなお友達。
柘植から生まれた、優しいコアラ。
大きな宝石は、異国の地から。
病弱で太陽が苦手だった私は、いつも一人で遊んでいる静かな子供だった。学校が退けても、元気な級友達にはついて行けないから、本を読んだり絵を描いたりして過ごす。そんな子供の親友は、小さな動物達と決まっている。幸い、両親は大の動物好き。私は色々の友を得て、ちっとも寂しくなかった。時期になると、叔父の家には鶏の雛が生まれるから、それはそれは楽しみだった。小さな雛達。それを順番に掌に包んで、ずっと一緒に過ごす。顔を近づけると、黄粉のような匂いがする。電球に寄り集まって、ひよひよと鳴くのも可愛い。小さな鶏冠が出てくるまでは、毎日遊びに行く。そんな縁で、今でも鶏は大好きだ。英国ヴィンテージの雛、柘植の根付、矮鶏の卵くらいある紫水晶。台所の洋燈の脇にいる、私の小さな友人である。
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