最初の、男の子。
翌年、熱いハートの女の子。
成長を感じる縫い目。
作家のサイン入り。
子供達の創り出す作品こそ、世界一の芸術だと思う。晩年のピカソも岡本太郎も、どうにかして無邪気な筆にしたかったのに、結局のところ、子供の絵には敵わなかった。上手く見せたい、バランス、配色、もっとインパクトを、そんな欲が皆無だから、子供達の作品は胸に響くのだろう。大抵は成長と共に感性が変わってしまうから、期間限定の偉大なる芸術家達なのだ。だからこそ、沢山の作品作りをお薦めしたい。小学校の夏休みの自由課題には油絵を描かせた。毎年描いたから6部作となり、我が家の廊下に美術館よろしく展示中である。フランス軍払い下げの麻生地からは、おばけ人形を創り出した。不思議な形状は、彼独自の感性からなるもの。寂しくないようにと翌年も創ってやったから、いつもニコニコして並んでいる。小さな手も、細い肩も、柔らかな髪も、可愛い声も、あの時、あの瞬間だけのものだった。今では懐かしい思い出となり、油絵と人形達だけが変わらずに在り続けている。
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