歴史ある魔法のバッグ。
魔法使いの腕輪
魔法の指環。
水晶玉を耳に下げて。
ユラユラ、キラキラ。
何が入っているの?そう聞かれたら、しめたもの。彼は貴女に気があるはず。小さな美しいバッグは、美しい貴女そのもの。好きでもない女のバッグの中身など、知りたがる男なんている訳がない。小さな美しいバッグには、何を入れる?アンティークの銀製のコンパクト、口紅、汕頭の小さなハンカチ、今ならばスマートフォン。必要ないけれど、心配ならば、お札を数枚。それだけ。あとは、バッグに負けないくらい美しい指先、金の腕輪と美しい笑顔で魔法をかけるだけ。すっかり虜になった彼は、ある晩に貴女の美しいバッグを思い出して、ため息をつく。小さな美しいバッグよりも、もっと美しい貴女に恋焦がれながら。
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