美しき宝物

一番最初の宝物は、プラスティックの宝石箱に入った薄紅色の真珠の首飾りと、ルビィ色の指環だった。その次は、砂浜で拾った薄水色のシーグラス。それを見ていた母がくれた指環が、その次の宝物になった。葡萄色の硝子の嵌った指環。私にとって、母のドレッサーは大好きな遊び場であり、色とりどりの宝石や美しい香水瓶を眺めているのが、何よりも楽しい時間だった気がする。そんなわけで、今でも、美しいものに囲まれていれば、いつでも幸せなのである。