幼少の頃より、不思議な話が大好きだ。人魚、魔法使い、龍、巨人、小人、妖精…毎日毎日、飽かずに読み耽っては、森の蛇苺の陰にいやしないかと、そっと覗いてみる事さえあった。幼い脳裏には、世界は美しくて幸せなものとしか映らず、眠りに落ちてなお、そんなもの達との幻に遊ぶのであった。TOADSTOOLとは、蟇の椅子という意味。毒茸なのに、なんて可愛い名前をつけるのだろう。そういえば、お伽噺に出てくる悪い妖精達は、どこかに悲しい可愛げのようなものが漂っていた。絶対悪にしない、その感性が好きだったのだと思う。一筋縄ではいかない表情の茸の妖精達、ロシアのガラス作家の作品。美しい感性をもつロシアの人々が、再び美しい心を取り返してくれる事を、切に願っている。
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